熊本県特有の『目覚まし』
2023/02/10
こんにちは。
今日は熊本県の葬儀の文化についてご紹介します。
目覚まし
皆さまは『目覚まし』と聞いて、すぐにピンときますか?
知り合いの身内が亡くなったり、親戚が亡くなったりしたとき。
目覚ましを準備してと言われた際、目覚ましってなんだろう? と疑問に思いますよね。
特に、熊本県以外にお住まいだった方が熊本県に引っ越してきた場合、馴染みのない言葉かと思います。
熊本県を中心に、通夜見舞いのことを『目覚まし』といいます。
熊本県特有の文化といえますが、九州地方でも熊本県に近いところでは取り入れられているところがあるそうです。
かつてはお通夜に差し入れるお酒や菓子折りのことを指していましたが、今ではお金の表書きに用いられることがほとんどです。
つまり香典のこと? と思う方もいるかもしれません。
ですが、熊本の人にとって香典と目覚ましは別物であるという感覚をお持ちの方が多いでしょう。
ご遺族へ差し入れのような役目を持つ目覚ましと、死者を悼み相互扶助を目的とする香典では、込められる意味が大きく違うといわれています。
そのため、目覚ましを香典の代わりに……ということはほとんどありません。
目覚ましは目覚まし、香典は香典で包むのが熊本県を中心に広がる習わしです。
そんな目覚ましには、大きく3つの意味があります。
1.食べ物を口にすることで寝ずの番の際、目を覚ましてほしいというご遺族への差し入れ
昔は寝ずの番といって、お線香を絶やすことなくご遺族の方がご遺体に寄り添いながら一晩中見守っていました。
ですが疲弊し憔悴しきった中、起きておくのは難しいこと。
そのため、お通夜に訪れた方が目覚ましを差し入れていたのです。
その頃はお金より、お酒や食べ物などに直接目覚ましと書き、お渡ししていました。
今では食べ物や飲み物ではなくお金を包むことが主流になり、寝ずの番も必須ではなくなりつつあります。
ちなみに一晩中お線香を焚くのは、お線香の煙や香りによって故人様の魂が迷うことなくあの世へ行けるようにという意味があります。
2.故人様に目を覚ましてほしいと願う気持ち
大切な人が亡くなるのはとても悲しいことです。
そう簡単に落ち着くことはできず、その悲しみはご遺族はもちろんのこと、知人友人にも及ぶことでしょう。
いざ大切な人との別れが訪れたとき、もう一度話せたら……と思わずにはいられません。
もう一度目を覚ましてほしい。
故人様へ向けたそういう願いから、表書きに目覚ましと書くようになったと言われています。
3.仏法への目覚め
目覚ましには大切な人の死を迎えたことによる、仏法への目覚めという意味もあります。
故人様を悼むことで仏法への理解が深まるとされていたのです。
身近な人の死とはそう頻繁に訪れるものではなく、その死を縁として仏法に目覚めるという仏教の考え方です。
普段はお経に馴染みのない方でも、葬儀や法事といった供養の際にはお経を耳にしますよね。
大切な人を想い、悼み、仏教に触れる。
これまでの自分から一歩踏み出し、目を覚ます。
目覚ましにはそういった意味も込められています。
先ほど目覚ましと香典は違うと説明しましたが、香典とは違い、目覚ましにお返しは必要ありません。
以前目覚ましを頂いた方の身内にご不幸があり葬儀に参列する際には、同じように目覚ましを包みましょう。
気になる目覚ましの相場ですが、一般的に1,000円~3,000円とされています。
お金ではなく菓子折りを包む場合にも同額程度の品物を用意します。
熊本県などの目覚ましが深く浸透している地域では、香典とは分けて目覚ましを受け渡しする場所が設置されている場合もあります。
ですが近年は葬儀も縮小傾向にあり、参列する人も親しい身内だけというケースが多いため、香典と同じ場所でお渡しすることが増えてきています。
また、熊本県の葬儀場のホームページ等で目覚ましについて説明のあるページもありますので参考にしてください。
いざという時に困らずに済むよう、覚えておくと安心です。
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